【Salesforce Tips】商談を分析するためのカスタマイズ

こんにちは、普段はSalesforceのシステム管理者をしているnakochiです。

今回はSalesforce の商談を効果的に分析するためのカスタマイズのヒントをお届けします。

この記事では、商談のフェーズなどのステップごとに移行率を測定するためのカスタマイズを行います。

商談のKPIとは?

Salesforce で商談の標準項目を使用した分析を行うと、完了予定日ごとの売上金額、完了予定日ごとのフェーズごとのレコード数、などの集計を行うことができます。

せっかくフェーズを定義したのに、フェーズごとの移行率を分析するための指標を用意するのが大変です。

各事業、ビジネスモデルによってまちまちではありますが、

この記事では商談のKPIとして、

商談数(レコード件数)
初回訪問数・率
見積送付数・率
成約数・率

を、それぞれ集計するためのカスタム項目の作成の体験を行います。

商談にカスタム日付項目を作成する

KPI算出のため、いくつかのカスタム項目を作成します。

カスタム項目の作成は、システム管理者の権限があるアカウントから、各オブジェクトのタブをクリックしてホーム画面を表示し、「設定」ボタンから「オブジェクトを編集」をクリックすることで、管理することができます。

「オブジェクトを編集」をクリックすると、オブジェクトマネージャ という機能が開かれます。

商談のオブジェクトマネージャから、「項目とリレーション」をクリックし、

「新規」をクリックすることで新しいカスタム項目を作成することができます。

ここでは、「初回訪問日」という日付項目のカスタム項目を作成します。

※この項目に入力がされているなら、初回訪問済社数という数式項目に1を表示するという数式項目を後で作成します。

データ型を日付として、「次へ」をクリック

項目の表示ラベル:初回訪問日
項目名:FirstVisitDate
説明:この項目をどのように使用しているのかを、自社のほかの人が後から見てもわかりやすいようにメモを残しましょう。
ヘルプテキスト:商談で初めて訪問した日付を入力してください。

のようにして、次へ

項目を表示させたい権限をすべてチェックして、「次へ」

項目レベルセキュリティ の画面では、どの権限を持つユーザに、新しい項目を編集、表示させるか、という指定をします。

※ここでは、すべての内部ユーザに対して権限を付与しますが、Salesforce で制作して公開しているコミュニティのゲストユーザなどへの権限の設定は行わない、表示させても良い権限についてしっかり確認したうえで設定を行いましょう。

作成した項目を追加するレイアウトにチェックをつけて、「保存 & 新規」をクリック

ここまでの操作で、「初回訪問日」のカスタム日付項目が新しく作成されました。

商談にカスタム数式数値項目を作成する

初回訪問日に日付が入力されている商談の件数を数えるための数式項目を作成します。

これにより、すべての商談のレコード数のうち、初回訪問を行った数は、その比率は?といった指標を集計することができるようになります。

カスタム項目の新規作成画面で、数式を選択して「次へ」

項目の表示ラベル:初回訪問社数
項目名:CountFirstVisit
数式の戻り値のデータ型:数値
小数点の位置:2

として、「次へ」をクリック

数式の入力画面で、「高度な数式」をクリックし、「項目の挿入」から、「初回訪問日」をクリックして「挿入」

IF( TEXT(FirstVisitDate__c) <>””, 1,0)

※初回訪問日の項目が空白でないならば、1を、空白ならば0を表示するという意味

を入力して、「次へ」をクリック

項目を表示させたい権限をすべてチェックして、「次へ」

項目レベルセキュリティ の画面では、どの権限を持つユーザに、新しい項目を編集、表示させるか、という指定をします。

※ここでは、すべての内部ユーザに対して権限を付与しますが、Salesforce で制作して公開しているコミュニティのゲストユーザなどへの権限の設定は行わない、表示させても良い権限についてしっかり確認したうえで設定を行いましょう。

作成した項目を追加するレイアウトにチェックをつけて、「保存」をクリック

ここまでの操作で、「初回訪問社数」のカスタム数式数値項目が新しく作成されました。

ここまでの操作で、商談のレコードに初回訪問日が入力されているレコードの件数を集計するためのカスタム項目が作成できました。

※ほかの条件でも社数を集計したいので、

項目の表示ラベル:見積送付日
項目名:QuoteSentDate
 この項目をどのように使用しているのかを、自社のほかの人が後から見てもわかりやすいようにメモを残しましょう。
ヘルプテキスト:見積送付した日付を入力してください。
項目の表示ラベル:成約日
項目名:SuccessedDate
 この項目をどのように使用しているのかを、自社のほかの人が後から見てもわかりやすいようにメモを残しましょう。
ヘルプテキスト:成約した日付を入力してください。

という日付項目を2つ作成し、それぞれの日付項目が入力されていることを条件に1と0の表示を切り替えるカスタム数式項目

・見積送付社数(CountQuoteSent)

 IF( TEXT(QuoteSentDate__c) <>””, 1,0)

・成約社数(CountSuccessed)

 IF( TEXT(SuccessedDate__c) <>””, 1,0)

を作成しましょう。

ここまでの操作を完了すると、商談レコード内での

・初回訪問日
・見積送付日
・成約日

というカスタム日付項目への入力が行われているレコードで、

それぞれ対応した項目の社数が1.00か、0.00で切り替えられていることを確認できます。

まとめ 商談のフェーズ別移行率を測定するための日付項目を

商談でフェーズ別にレコードの件数や移行率を測定したい場合は、それぞれのフェーズに初めて到達したことを記録する日付項目を作成し、その項目への入力があるなら1として件数を記録する数式を作ることで実装できます。

別の記事にて、この集計用項目を使用したレポートやダッシュボードでの分析を行います。

ぜひ、このような数式でのレコード件数の表示という観点を活用し、Salesforce のデータ分析にお役立てください。

Salesforce を導入したばかりや、これから導入しようとしている企業で、どのように活用したらいいのか、データの移行に悩んでいる、などありましたら、ぜひお問い合わせフォームからご相談ください。

対応内容や稼働時間などご相談のうえ、お見積もりを作成いたします。